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夏至

のんびる:のんびりの動詞形。のんびりする、と同義。

2024.09.22.Sun 13:50:04
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2008.07.07.Mon 02:17:35
ツタヤでのDVDレンタル価格が200円の日に母が借りてきてくれたものです。予告のアンジェリーナ・ジョリーがなかなか綺麗で、観に行こうかと云い乍ら気付いたら上映期間が終わっていたため、DVDを借りてきたというパタン。

で、何の下調べもしないで観たのもいけないのですが…実写映画を想定していたので、えーー何このアニメっぽいツルペタなテクスチャー!とまずそこに吃驚。エンドロールを観て「アンソニー・ホプキンスって何役で出てたっけ?国王か?」とか云う位で、何んか顔観ても誰が誰だかさっぱり分からん。動きもカクカクしていて、3Dっぽい画像処理をしたゲームのワンシーンが延々続いているような…そんな画面。

最初の2〜3分では雰囲気的に、傾向としては『トロイ』に近い、という印象を受けました。更にその数分後には『300(スリーハンドレッド)』かなあとも思えたのですが、その少し後にはどれにも属さない、という結論に達しました(あれ?)。

予告ではあんなに活躍していたアンジェリーナ・ジョリーはほとんど出てこなくて、ちょっとしょんぼり。噂ではアンジェリーナ・ジョリーの裸部分だけがCG処理って聞いていたのですが、何か全体的にCG臭さが一杯で、『ロード・オブ・ザ・リング』のゴラムを思い出していました。

つっこみどころ満載の映画なんですが、あらすじを説明するのが面倒なので、goo映画からコピーペースト。あらすじより先はネタばれありです。ご注意下さい。

6世紀のデンマーク。フローズガール王が盛大な宴を催す中に、醜く巨大な怪物グレンデルが姿を現した。人々を虐殺したグレンデルに対し、王は褒賞を用意して討伐隊を募集。これに応じた戦士ベオウルフは、見事グレンデル撃退に成功する。戦勝を祝い再び華やかに繰り広げられる宴。しかし翌朝ベオウルフが目にしたのは、皆殺しにされた兵士たちの姿だった。彼はその犯人と思しきグレンデルの母親の元へと向かうが……。

英国文学最古の英雄叙事詩を、独自の解釈を織り交ぜて映像化。デジタルシネマ技術を駆使し、悠遠の昔のファンタジー世界をスクリーンに蘇らせた。前半の巨人グレンデルとの素手での一騎打ち、そして後半の飛竜との死闘とダイナミックで息を呑むシーンが続き、どちらも目が離せない。レイ・ウィンストンは勇者ベオウルフを時に荒々しく、人間臭く表現。ベオウルフを惑わす怪物の母を演じたアンジェリーナ・ジョリーは、その妖艶な魅力を最大限に発揮した。脇を固めるアンソニー・ホプキンス、ジョン・マルコビッチら個性派俳優のクセのある演技も見逃せない。それらが相まって、単なる英雄礼賛とは違う、深みのあるファンタジーに仕上がった。


取り敢えず舞台はキリスト教が広まり始める頃のデンマーク。まだまだ神話の世界がいきていて、化物退治とか英雄というものが力を有していた時代です。

グレンデル退治にきたベオウルフの過去の武勇伝が凄い凄い。ライバルと泳ぎで競っていたエピソードがね…5日間泳ぎ続けた(!)ところまでは互角だったのに、急に海の怪物が出てきてそれを退治するとか…今の時代では、んな阿呆な…というような話が普通に通ってしまう。まあグレンデルが実在キャラとして登場するなら不思議も無いのですが。

しかし、このグレンデル。見た目はグロテスク。体のサイズも大きくて、身長何メートルあるんだろうと思われるのですが…案外神経が細やか。大きい音が嫌いらしい。そもそも宴を開く度に館を襲うのはそのせいの模様。そんなグレンデルに向かって近距離で叫ぶベオウルフ。鬼です。しかもベオウルフ様、グレンデルを化物だとか何とか呼んで非道の限り痛めつけるのですが…画面を観ている者の感想としては、化物(グレンデル)よりも人間(ベオウルフ様)の方がよっぽど凶暴に見えます。グレンデルも「化物じゃない」とか喋ってるし。うん、グレンデルも人間を引き裂いたりとかしたけど、やっぱり凶暴具合から云ったらベオウルフ様の方に軍配が上がる。人間って怖いね☆ということでしょうか。

で、私にとっての、この映画の最大のつっこみどころはこのグレンデルとの戦闘シーンでした。だって…「魔力で生まれた化け物に剣は効かない。肉体のみで勝負するしかない」とか云って急にマッパになってしまうんですもの。剣が効かなくても鎧位身につけたままの方が防御面では良いと思うのですよ。しかも何も、デンマーク王の王妃の目の前で脱がなくても良いと思うのね。ついでに云うと、鎧は重いし…とか云うんだったら、まあ百歩譲って許せても、何もパンツまで脱がなくてもいいと思うのね。『300(スリーハンドレッド)』の時も思ったけど、体を鍛えたからには見せつけたいのか…「俺のこの鍛え上げた美しい肉体を見てくれえぇぇー!!」ってそういうこと?

そして何が凄いって。これぞアニメのカメラワーク。マッパのヒーローをぼかしもモザイクも要らないように剣の柄やスモークや絶妙なアングルで股間が隠されているのです。これぞまさに職人技(違います)!しかし凄いなあ…。全裸で怪物に飛びかかる主人公の図。綺麗なお姉さんに全裸で飛びつかれているならまだしも、マッチョな男に裸で抱きつかれても厭だよな。グレンデルが男だからとかそんな前提以前の話で。

グレンデルは片腕をもがれただけで死んでしまうのですが(失血多量?ショック死?)、母親との会話など、小さな子供のようなイメージの強い子で、本物の化物はどちらだったのか、という点では考えさせられました。

さてさて、グレンデルが死んだ晩、子供を殺された母親が復讐しに来たようで、館の兵士は主人公と、船の準備で館を出ていた側近みたいな人以外は皆殺し+天井から吊るされてしまいます(別の寝室に居た国王やその王妃諸々は皆無事)。

グレンデルは死んでなかったのか、と騒ぐベオウルフ様たち(片腕をもいだだけで退治した気になっているのも凄いけど)に対して、さらりと国王は「母親のしわざだ」と云う。グレンデルの名前も知っていたし、グレンデルも自分に対して剣を向ける国王に「お前は殺さない」と云うし、この国王、何か色々知っていそう。王妃も。で、母親がいるなら父親や叔父もいるのかというベオウルフに答える国王「母親だけだ、父親は人間に対して悪さはしない」母親とハモるわたくし「こいつが(グレンデルの)父親か!」。

で、グレンデルの母親退治に出かけるベオウルフ様。いやはや…グレンデル母の美しいこと。変にツルペタなんだけどね。金ぴかの何かが塗ってあるだけで彼女も全裸なのかと思いきや、肌が変になめらかで。グレンデルには生殖能力は無いけど、この母もそう云う臭いをさせないボディラインだなあと。でも息子生んでるし、普通に生殖能力はあるようですが。息子を失った今、私を抱いて息子を授けてくれたなら、富と名声諸々を条件付きで約束しよう、というグレンデル母の提案。で、相手が化物だって分かってて、そもそも殺しに行ったにも関わらず、何でそこで折れるかな、ベオウルフ様。どんな英雄も誘惑(色香か名声か富か地位か…何に負けたのか分かりませんが)には打ち勝ちがたい弱さがあるのよと云いたいのか分からないが、そこでばっさりグレンデル母を討てればハッピーエンドだったのにね。微妙に忘れたけど、愛しの王妃様はこのグレンデル母かグレンデルのどちらかを討った段階でベオウルフ様のものにするよって国王約束していたじゃないの。国王の犯した過ちをベオウルフ様も犯してしまう、この負のループ。

で、国王は国王で、ベオウルフ様も自分と同じ轍を踏んだことを理解。これで解放されました!とばかりにベオウルフ様に地位etc.丸投げして投身自殺。一抜けた、みたいな。欲しくて欲しくて、グレンデル母と契約してまで手に入れた王としての権力とかは、実際手にしてみると余り良いものでは無かった模様。

さて、どれだけの年数が経ったのか分かりませんが、シーンはベオウルフ様が王様になった後、もう結構なお年なところまでワープしてしまいました。

そして村を襲うのは龍。グレンデルといい、龍といい、子供は成人すると父親に挑んで行くスタイルをとる模様。そして子が成長するとほぼ同時に母と英雄の契約は破棄される?

子供が親に挑む時のお約束パタンは子供が親を倒して超えて行く、というものですが、このストーリーに関しては逆で子供は常に父親に倒されています。これはこれで何かメッセージでもあるのかしらん。

時に、フローズガール王は自分の尻拭いをベオウルフに託しました。王妃様も皮肉ったように「若い英雄にでも任せておけば?」みたいなことをベオウルフ対して云うけれど、結局自分も不始末は自分で拭って、このループを断ち切らないと!と行ってしまいます。行く際に王妃への愛を語るのですが…それならお前はもっと他にとるべき態度があっただろ!とつっこまずにはいられない。美しくて若い愛人囲っておいて寝言で王妃の名前をもごもご云う位なら他に何かあるだろう。そもそもグレンデル母の誘惑に負けた所で既に人として崖から転がり落ちているようなものなんですが。

ところで、今回の子供は結構でかくて強そうな龍なんですが、フローズガール王との間の子グレンデルは半分溶けたような神経質な子供っぽい子でした。何、この落差。父親の能力か何かに比例するの?

龍を倒したフローズガールの語っていた龍の急所をブッさしてこの子も死ぬんだろうなあと思っていたら、期待そのまま。グレンデルが云い残した言葉も反映されてグレンデル同様に片腕を失って、龍のとどめを刺すと自身も力尽きて死亡。

ベオウルフを黄金とかと一緒に舟に乗せて海へ流して燃していましたけれど、燃え上がるマストが十字架っぽい。王妃たちもキリスト教に改宗してしまったような感じで。化物を退治して英雄になるというのがそれまでのパタンなら、キリスト教の世界では化物は存在しない訳で、化物を退治出来ないイコールそれまでのような英雄は出現しない、同時にベオウルフやフローズガールの英雄としての過去や存在そのものを否定するような結果ですね。さくっと忘れたいです、的。

さてさて、沈むベオウルフ様の舟にひょっこり出てきたのはグレンデル母。何を思ってベオウルフ様の遺体に口づけをしたのか。そして水面からするりと出てきて、
ちゃっかり王冠を頭上に戴いてしまっているベオウルフ様側近のウィグラーフさんと目が合う。

グレンデル母との間の子は父親に挑み倒される、という図式があるなら、十分高齢なウィグラーフなら、(子を残せる能力が未だあるのか知りませんが、あるなら)子供が成人する頃にはもう子供を倒す父親は寿命が尽きて死んでいる筈。

ウィグラーフはどうするのかしらねー。ベオウルフの悲劇を終始目の当たりにして尚、誘惑に打ち勝てないのか…。悩ましい。

ここまで突っ込みどころの多く、観て損した気になった映画も久々でした。久々過ぎて感想が長くなった(笑)良くも悪くもないのの感想は書く気になれんが、これは…うん(笑)しかしこれは…何歳くらい人をターゲットにしているんだろう。大人向けではないけど、子供向けでもないし…。でもこういうのが好きな人もいるんだろうなあ…。そういうマニア向け映画ですか?(笑)
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